脳天パー フリ

ツタヤがなんと半額セールってんで、無職は胸はずませてCDを借りに行った。
無職のアイポッドに曲が入るのはツタヤの半額セールの時だけ★

で、何を血迷ったか、今、ここに至って改めて借りてしまったのは
フリッパーズギター。なんだそりゃ。

いや、持ってますよ。オリジナルアルバム三枚。フリッパーズ編集のコンピも。
てか愛聴盤。

でも、あれよ。カラー・ミー・ポップっていうベスト盤とオン・プレジャー・ベントってライブ盤。これを持ってなかったの。
なんで持ってなかったかってぇと、フリッパーズを初めて聴いたのは、このベスト版のテープだったから。(なつかしいなテープ!)
高校の時の先輩にダビングしてもらった奴。

ずっとそのテープを持ってたもんだから、お金のない学生はそれをわざわざCDで買おうとは思わなかったわけだ。
ライブ盤についても似たような理由。金の無かった僕は知ってる曲ばっかのそれを買う金がなく、かといってレンタルですませられるほどのファンでもなかったから、結果、「いつか買おう」で今に至ってた。

で、分別もついて年をとり、さらにいつのまにかカセットテープを聴く機械がぶっ壊れた無職は、この不可思議なタイミングでそれをレンタルしたわけよ。

感想。
まず、本当にびっくりしたんだけど、僕の持ってたテープは、カラーミーポップでもなく、かといってオン・プレジャーベントでもなく、それらをミックスしたものだった。つまり曲によってライブ盤とオリジナルテイクを選んで再構成してた。
なんつうめんどくさい作業をしていたのだ。先輩わ。
それをカラーミーポップだと偽って貸してくれたのだ。
こうなると、なぜCDではなくテープをダビングしてくれたのかもわかる。いわずもがな。
それを聴かせたかったのだ。あの人わ。自作フリッパーズベストを!
でもそれを自作と言い出せなかったのだ。自意識過剰だから。
なんつう気持ち悪い。

しかして、この、フリッパーズに対するある1高校生の不気味な愛情と過剰な思い入れを26才の僕は、笑い飛ばずこともできず、ただただ胸が締め付けられるような、オセンチな恥ずかしさで顔を真っ赤にするしかなかったのであった。だって身に覚えがあるのだもの。似たような感情に。

ったく、そんなもんに十年越しで気付かされて、今更どうしろってんだよ。
ほんと、恥ずかしい。苦い思い出。思い入れ。

でも、そんな複雑な感情とともに、この二度と現実には聞けないライブの二人の声を聴いて、なんだかんだいいながらも自分はこの二人を敬愛してやまないことを改めて思い知らされたわけ。(こんなことを言わずにいられない辺りが、先輩を笑い飛ばせない原因だ!)

だって聞き出したら最後までやめられなかったんだもの。三回繰り返してしまったんだもの。そんなライブアルバム、他にしらない。

「午前3時のオプ」を17才の時に聞いたことのある人間は無条件で信じられる。そんな嘘のひとつやふたつ、ついてみたくなるぜ。うそだぜ。